政治団体の名前に制限はあるのか
つい先日、政治団体の設立という基本的な手続きの中で、珍しく疑義照会案件が出てしまいました。こちらとしては、全く疑義になるとは思わなかったのですが、所管の県選挙管理委員会が確認が必要と言うのです。疑義照会の対象となったのは、政治団体の名称。名称に句読点(「、」や「。」)が入っているのがダメではないか、ということでした。
政治団体の設立については、政治資金規正法に定めがある通りに設立すれば、原則として受理されることになっています。法第6条第3項には「第一項の規定による届出をする場合には、当該届出に係る政治団体の名称は、第七条の二第一項の規定により公表された政党又は政治資金団体の名称及びこれらに類似する名称以外の名称でなければならない。」とあり、いわゆる政党又は政治資金団体の名称及びこれらに類似する名称では受理されないこととされていますが、それ以外に制限があるわけではありません。
今回のケースでは、政治団体名に句読点のいずれも入っているものでしたが、最終的に問題なく届出は受理されました。
キャッチフレーズ名をそのまま団体名にする場合
今回紹介したようなケースでもっとも考えられるのは、キャッチフレーズをそのまま団体名にするケースでしょう。確認団体制度のある選挙などにおいて、キャッチフレーズと確認団体名称の2つを広げるよりも、同一のものにしてしまうことで統一した合言葉で選挙戦を行う方が良いと考える陣営も多くなっています。加えて、キャッチフレーズを政治団体名称にすることで、キャッチフレーズだけののぼりを、そのキャッチフレーズが浸透しているからという理由で「氏名類推事項」と指摘される可能性も大幅に減るでしょう。このようなケースでは、句読点に加え、エクスクラメーション・マーク(通称ビックリマーク、「!」)や、鍵括弧(「」)などを使うことも考えられますが、これらの記号について、政治団体名称に使ってはならないという規則があるわけではありませんから、いずれも受理されるものとされています。
実際に記号が利用されている事例
エクスクラメーション・マーク
頑張れ日本!全国行動委員会
水島 総 上田 典彦 東京都渋谷区渋谷1-1-16
H22.3.25届出(総務省)
鍵括弧
「遠藤のぶひこ」を育てる会
遠藤 宣彦 遠藤 彰子 東京都世田谷区東玉川1-24-22
H18.1.12届出(総務省)
括弧
島根ふるさと創生会(竹下わたる後援会)
宇津 徹男 中村 中 島根県出雲市小山町574
H12.5.8届出(総務省)
読点
人権を守り、福祉を育て、環境を大切にする会(JFKの会)
岡 雄一 岡 雄一 大阪府大阪市福島区福島2-10-19
H23.5.6届出(総務省)
句点
あすか新生。
駒村 守晴 駒村 守晴 東京都北区中十条2-22-2
H16.11.24届出(東京都)